リカと私の藁人形
「なんであんたなんか産んじゃったんだろう。」

あたしは、それを聞いた途端に急に悲しくなり泣いた。

その日から母さんはあたしにご飯を作らないようになった。

そして、あたしがいないかのようにふるまった。

あたしが声をかけても何も聞こえないふりをした。

後で父さんから聞いた話によると母さんは先端恐怖症という先のとがったものに、極度におびえる性質だったという。

あたしが包丁を向けた時さぞや怖かっただろうなと、今になって思い後悔している。

その時はまだ父さんも口をきいてくれていた。
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