全部、君だった。
「きゃー!桐山先輩大胆!!!!」
音楽室に戻り、加奈子に事の次第を話した。
「ちょっと思った(笑)
でも嬉しい!
加奈子、ありがとね」
「いいってことよ〜!」
加奈子は自分の胸をトンッと叩いた。
「ねぇ案外両思いだったりするかもよ!
だって普通そんなことしないよ〜?」
加奈子が言う。
「えっ……
そうかなぁ……」
私は手の平に書かれた先輩のアドレスを見つめた。
先輩が私を好き……?
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