捨て猫
内装もおしゃれで、壁や床にはところどころに猫の足跡がレイアウトされている。
インテリアにも凝っていて、窓やテーブルは猫の顔の形。
店全体はシックで大人っぽいのに、テーブルやカウンターの椅子などはカラフルな色合いになっていた。

「このお店、すごーい可愛いですね」
「そうだな。オレ、女と来たの初めてかも」
「そうなんですか?なんか嬉しい」
何かしら、先輩の"初めて"になれたのが嬉しかった。
「何で『CAT'S street』って名前なんですか?」
「名前の如く、この通りに猫が多いかららしい。単純だよな」
「ですねっ」
「オレだったらもっとこう、かっこいい名前にするけどな」
「例えば?」
「ん~…『喫茶荒波』とか」
「えー!?微妙!!」
「じゃあ『カフェ武士道』は?」
「ないですよ!!まず組み合わせがおかしいです」
「じゃあ何がいいんだよっ」

ギャーギャー言い争っていると、
店員がクスクス笑いながら注文したものを運んできた。

もー、恥ずかしいっ!!
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