捨て猫

恋煩い

キーンコーン…
先生が教室を出て行って4限の終わりを知らせるチャイムが響き、同時にのびをする。
「やっと終わった!!お腹すいたぁ~」
「ずっと携帯いじってたくせに」
頬づえをついた桃子に冷ややかな目で見つめられ、ギクッとしたあたしは携帯を閉じる。

桃子の言うとおり、あまり厳しくない物理担当の先生の目を盗んでは、授業中ずっと先輩とメールをしていた。

「さ、さすが桃子~」
「さすが、じゃないよっ。里那、今回の中間、赤点やばいんじゃないの?」
「……そうでしたぁ…」
桃子は半ばあきれてため息をつく。

すっかり忘れてた…。
もうすぐ中間があるってことと、
自分のアタマのレベルを……
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