捨て猫
「…ねぇ先輩」
「ん?」
いつものように他愛もない話をしているとき、
不意に呟いてみた。
「……好きだよ」
「…何だよ急に?」
「思ったことを言ってみただけ~。えへへ」
そう言って先輩に向き直り笑ってみせると、優しく抱きしめられた。
「オレも………大好き」
先輩はあたしの耳元で囁く。
「……うんっ」

やがて体が離れると先輩は、
――チュッ――――
―――唇に軽く触れるくらいのキスをした。
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