捨て猫
…どれくらい長い間、そうしていたんだろう。
最後に先輩はあたしの耳に口づけをし、「そろそろ帰るか」と立ち上がった。

帰り道、またいつものように世間話をして、
あたしの家まで送ってくれた。
別れ際、先輩はこんなことを口にした。
「里那ってキスうまいよな」
それを聞いて、あたしの顔は一瞬で火照る。
「あ、タコみたい」
先輩はあたしの顔を見て笑う。
「……うるさいっ!変態っ!バカっ!!」
あたしは先輩をポカポカと殴った。
「うっそぴょーん」
先輩はそれをひらりとかわし、あたしの頬にキスをして、
「じゃあまた明日」
と帰って行った。

先輩のその態度が、悔しい…けど嬉しいんだ。
< 77 / 77 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop