Sin
「何だと、この」

父親がジャックに殴りかかるより、ジャックが拳を振り上げる方が早かった。

鈍い音がして父親は壁に叩きつけられ、母親は小さな悲鳴を上げる。

「呼べよ。出る所に出て困るのはお前達の方だろ」

二人を睨みつけ、ジャックはアレクセイを抱き上げた。信じられないほど軽い。おそらく食事を与えられていなかったのだろう。怒りはさらに増幅する。

「……先、生……」

助けて。

小さく聞こえた声にジャックは答える。

「もう大丈夫だ。警察も来てくれるし、すぐ病院に運ぶからな」




アレクセイは病院に運ばれ、虐待の事実が確認されて両親は捕まった。

部屋に監禁されていた間食事も水ももらえなかったらしく、危ない所だったと医師は言っていた。


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