Sin
よかった、間に合って。

回復していくアレクセイの様子を聞いてジャックは心底ほっとした。

しかしこの一件はかなりの大問題になった。派手に窓ガラスを割ったため、一部始終を見ていた近隣の人々からジャックの行動は非難された。

虐待されている生徒を助けた良い先生と言う人もいれば、感情にまかせて暴力を振るった最悪な教師と言う人もいた。

「虐待の事実を知ったならまず警察や保護機関に連絡するべきではなかったか」

保護者や警察、学校関係者は軽率な行動だと口を揃えた。

「君には分かっていたはずだよ。自分がどう行動すべきか」

学長にも厳しく叱責された。

そう、分かっていた。理性では。

でもその理性では込み上げる激しい感情を抑えられなかった。

何より手遅れになるまえに、手を伸ばしたかった。


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