Sin
「シン?」

「ねぇ、母さん……どうして俺の事嫌いになったの?」

ぼろぼろと泣きながらシンは掠れ声で問う。

「どうして、あの男に俺を売ったの? 死ねって言ったのにどうして俺の事死なせてくれないの?」

『売った』、『死ね』。ジャックは腹を突かれたように顔を歪ませた。

「どうして……愛してくれないの……?」

そう呟き、シンは気を失った。




目が覚めた時、ジャックが心配そうに顔を覗きこんでいた。

「気がついたか?」

シンは瞬きし、辺りを見回す。首を吊ったはずなのに、ソファーの上に寝かされている。

「あれ、俺……ジャック、どうして」

「仕事、早退したんだ。だから間に合った」

早退していなければどうなっていたか、考えるだけで背筋が凍る。

シンは喉に手を当てた。触れるとピリ、と痛む箇所がある。ああ、あれは夢じゃなかったんだ。

「何が、あった?」

ジャックはシンの頬にかかる髪をそっと払って尋ねる。

シンはふいと目を逸らした。


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