Sin
「頼む、シン。死ぬつもりなら先に話してくれないか。その後でどうしても死にたいなら」

ジャックはシンの手を握って続ける。

「僕も付き合うから」

バカか、お前。シンはそう言うつもりで起き上がった。

真剣で、悲しげなジャックの瞳が真っすぐに自分を見ている。

……吸い込まれる。

そう感じたのは深い緑色の瞳のせいではなかった。ジャックは、本気だ。

シンの目から涙が溢れだす。知られるのが怖い。なのに、聞いてほしい。

「……ジャックのせいだ」

シンはジャックに掴みかかった。

「ジャックになんか会ったから! ジャックに会わなければ、こんな気持ちにならなくて済んだのに!」

心の奥に閉じ込めた『愛されたい』と願う気持ちを思い出さずに済んだのに……!

ジャックの胸を拳で叩きながらシンは何度も繰り返す。

「ジャックの、せいだ……!」

違うと分かっていたけれど、止められなかった。シンはぼろぼろと泣きながらジャックを責め続ける。

ジャックは、何も答えなかった。

ただ黙って抱きしめてくれる彼の温かい腕。

それは今のシンにとって一番必要で、そして一番欲しいものだった。


< 119 / 331 >

この作品をシェア

pagetop