Sin
「でも、さ」

シンの声が暗く沈む。

「だんだん、母さん冷たくなって。俺がいるから、俺がルージャの血を引いてるから男にフラれるって。幸せになれないって。出てけって言われた。消えろって、死ねばいいって」

俺の事、要らないって。シンは悲しそうに俯いた。

「俺が……八つの時かな。男の人が迎えに来て、父さんになってくれるって言ってさ。母さんはお前なんか要らないからってそいつに俺を押し付けて家を出てった」



‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥



「あんたなんか要らない」

そう言って母親は家を出て行った。八歳の時だ。

「可哀相に、シン」

母親に棄てられ、ひどく泣いているシンを優しく抱きしめてくれた男の人。

「もう大丈夫だ。父さんがいるだろ? 寂しくないぞ」

引きとってくれると言う男の人にシンはついて行った。


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