Sin
ジャックは寂しそうに微笑み、シンの肩に腕を回す。

「最初は分からなかったんだけど」

右手に持っているグラスをテーブルに置き、ジャックは話し出した。酔っているのか、いつもより口調がゆっくりだ。

「瞳(め)が、似てたんだ」

「瞳? 誰に?」

「昔……子どもの頃の友達に」

自分を見上げているシンに気づき、微笑みかける。

「その子、死んじゃったんだ。親に虐待されて、自殺した」

グラスを手にし、くいと流し込む。どこか遠くを見つめてジャックは続けた。

「助けてあげられなかった。今でも後悔している」

悲しそうなジャックの横顔に、シンは思わず目を逸らした。

こく、とミルクを飲む。じわ、と体が熱くなるのを感じた。


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