Sin
どれだけ憎んでも足りなくて。絶対に許す事が出来なくて。

それなのに、憎めば憎むほど苦しくなった。深い泥の中にどんどん沈み、呼吸が出来なくて喘ぐような苦しさ。

「どうして……」

体が震えるのは怒りのせいか。笑いが込み上げるのは内に篭った狂気のせいか。

憎めば憎むほど苦しくなるのは、本当は愛したいからなのか。

胃の辺りに絞られるような鈍い痛みを感じ、ジャックは口を押さえて立ち上がった。シンを起こさないように静かに扉の向こうに姿を消し。

ユーキが死んだ時。そして妹が死んだ時と同じ事が起きた。吐いて、吐いて。

呼吸が乱れて、息が出来なくて、無意味に涙が止まらなくなって。

情けない奴、とジャックは震えながら自嘲した。


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