Sin




痛み止めの薬が効いたのだろう。ぐっすり眠っているシンを背負い、ジャックは家に帰った。

雨は上がっていた。足元の水溜まりが時々パシャと音をたてる。

『多分、リンチにあったんだろう』

八百屋の店主が言っていた。

『林檎を買いに来て、釣りを取りに奥に行ってる間に居なくなってたんだ。なかなか帰って来ないし雨は降ってくるしで探しに行ったら、傷だらけで広場に倒れていた』

なぜ、シンは商店街を飛び出したのだろう。外出は商店街までという約束を、なぜ破ったのだろうか。

家に着き、ソファーに寝かせて毛布をかけてやる。腫れ上がった顔。涙の跡。熱も出て来た。

「……ック」

シンはうわごとのように呟く。薄く開いた目はジャックを見ていた。


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