Sin
「でも」

突然シンは顔を上げ、店主を振り返った。さっきまでの寂しい表情が消えた明るい顔。

「俺、下向くのもうやめるんだ!」

「下?」

うん、と頷くシンの瞳は幼い容姿に釣り合わない強さを感じさせる。

「ジャックが言ってた。赤い林檎も青い林檎も同じ林檎だって。例え青林檎は嫌いっていう人が居ても、林檎である事には変わりないって」

店主はシンをじっと見つめた。

「黒くても、ルージャの血引いてても、俺は俺。俺の事嫌いな人が居ても、どんなに差別されても、みんなと同じ人間なんだ」

だから。

シンはにこりと笑い、続ける。

「もう下向かない。俺、もっともっと強くなる。この国で生きてくために」


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