Sin
帰る途中、先に買い物を済ませようとジャックは市街地へ向かった。

商店街では買えない食料品や衣料、仕事に必要なテキスト等はいつも市街の大型スーパーで購入している。

必要な物をあれこれと考えながら買い物をしていたら、いつの間にか荷物が大きな紙袋四つになっていた。

ちょっと買い過ぎたか。

「あら先生、今日は随分沢山買い物されたんですね」

主婦よりも多いジャックの荷物を見て、パン屋の女性店員はクスクス笑った。

「いつもは文具だけなのに珍しいわ。パーティーでもあるんですか?」

「まあ、そんなとこです」

食パンを一斤とパン屋特製のマーマレードを買う。ああ、蜂蜜も切れていたっけ。

アカシア蜂蜜の瓶を一つ追加し、ジャックは会計を済ませた。

「なんだか嬉しそうですね、先生。パーティーのゲストは余程特別な方なのかしら?」

「はは、ばれてしまいましたか」

恋人が出来たのかと探りを入れる彼女の質問に、ジャックは嬉しさを隠せないといった様子で答える。

「ずっとそばにいると約束した子なんです」


< 303 / 331 >

この作品をシェア

pagetop