Sin
途中、ケーキ屋を見つけて寄ってもらった。最近出来た店のようで、開店祝の花が飾られている。
毎回、お祝いの時はアップルパイを用意していた。あまりおやつを食べないシンが一番好きなお菓子だったから。
今日は施設長やセイジ達も来てくれるからホールで買った方がいいだろう。ジャックは鈴のついているガラス扉を開く。
お洒落な雑貨で飾られた店内は焼き林檎に似た甘い香りでいっぱいだった。
「いらっしゃいませ」
「アップルパイ、ホールでありますか?」
「ええ、出来立てですよ」
栗色の髪をまとめた懐こい笑顔の店員は、アップルパイお願いします、と奥に向かって声をかけた。
「お待たせしました。アップルパイ……」
奥から出て来た女性はジャックと目が合い言葉を失った。
スカーフに覆われた長い金髪。青い瞳。見覚えのある女性。
「……あなたは」
ぱっと目を逸らす彼女。シンの母親だった。
「お知り合いですか?」
店員は二人の間に漂う気まずい空気に気づかず、ニコニコと笑顔で尋ねる。
「……アップルパイです。どうぞ」
目を合わせずに紙袋を差し出す母親にジャックは言った。
「少し……お時間をいただけませんか」
毎回、お祝いの時はアップルパイを用意していた。あまりおやつを食べないシンが一番好きなお菓子だったから。
今日は施設長やセイジ達も来てくれるからホールで買った方がいいだろう。ジャックは鈴のついているガラス扉を開く。
お洒落な雑貨で飾られた店内は焼き林檎に似た甘い香りでいっぱいだった。
「いらっしゃいませ」
「アップルパイ、ホールでありますか?」
「ええ、出来立てですよ」
栗色の髪をまとめた懐こい笑顔の店員は、アップルパイお願いします、と奥に向かって声をかけた。
「お待たせしました。アップルパイ……」
奥から出て来た女性はジャックと目が合い言葉を失った。
スカーフに覆われた長い金髪。青い瞳。見覚えのある女性。
「……あなたは」
ぱっと目を逸らす彼女。シンの母親だった。
「お知り合いですか?」
店員は二人の間に漂う気まずい空気に気づかず、ニコニコと笑顔で尋ねる。
「……アップルパイです。どうぞ」
目を合わせずに紙袋を差し出す母親にジャックは言った。
「少し……お時間をいただけませんか」