Sin
ここはジャックの家だ。大丈夫、ジャックは叩かない。ジャックは襲わない。

「気持ち悪いのか?」

ジャックは優しくシンに尋ねた。怯えながらもシンは首を横に振って質問に答える。

「怖い夢でも見たのか?」

「……、っ……」

素直に頷く。ほっとしたら涙が止まらなくなった。

ジャックはシンに触れず、彼が落ち着くまで黙ってそばに居た。

怖い夢、か。ジャックはシンの怯えた瞳を見つめる。

いつか、同じ瞳を見た気がする。そう、あれは――

「……ック」

ぽつりとシンが口を開き、ジャックは手繰っていた記憶のページを閉じた。

「落ち着いたか?」

こく、と頷くシンから汚れた毛布を受け取り、着替えを用意する。


< 47 / 331 >

この作品をシェア

pagetop