Sin
着替えを終えたシンに新しい毛布を渡し、ジャックは微笑んだ。

「もう大丈夫かな」

不安そうな灰色の瞳がジャックを見つめる。

「大丈夫だ。誰も何もしないから、安心して休むといい」

そう言って、ベッドに戻ろうと背を向けたジャックの服を、シンの手が掴んだ。

驚いて振り向くと、シンが縋るように見上げている。

「行っちゃ、やだ」

シンはしっかりとジャックの服を掴んで、繰り返す。

「やだ、行っちゃやだ。行かないで」

『あんたなんか要らない』

家を出て行った母親の後ろ姿とジャックの背中がだぶり、シンは泣きながらジャックに縋り付いた。


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