Sin
疲れているのだろう、小声で呼んでも起きない。シンはジャックが手に持っている手帳を取り上げた。それでも起きない。

悪いかなと思いつつ、シンは手帳をパラパラとめくった。分厚い手帳。赤いクリップのページを開く。

『ミーミルが回復。元気になってよかった』

『ナディアが笑ってくれた』

『セイジにボールを約束。月曜日には持って行く事』

生徒の事だろうか。一人一人の様子や嬉しかった事、心配な事等が細かく書かれている。

……羨ましい。

シンは大きく息をついた。

こんな風に生徒を大切にしてくれる先生がいるなんて、奴らは幸せ者だ。

俺には、誰も居ない。俺は汚れてるから、誰にも愛されない。

寂しさが込み上げてくる。灰色のクリップが挟まれたページを開いた。

『シンがひどく寂しそうだ』

ドクン、と心臓が跳ねた。


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