Sin
「ったく、悪ガキどもめ」
近づいてくる人影を見て少年達が小屋から逃げて行った後、そう呟きながら小屋に入って来た農夫は俯せに倒れているシンを見て大声を出した。
「お前、何をしている!」
助けて、と掠れた声でシンは訴える。しかし、小さな体に受けた痛々しい打ち傷よりも浅黒い肌の色に注意を向けた農夫は、シンを助けるどころか眉を吊り上げて怒鳴った。
「お前、ルージャの奴だな!? さてはうちに盗みに来てたのはお前か? この浮浪児め!」
「ぐぅっ……!」
まるでどぶねずみを蹴るように農夫はシンの腹を蹴りあげ、小屋の外に放り出した。
「子どもじゃなきゃ撃ち殺してる所だ。忌ま忌ましい」
ガツ、と頭を蹴られる。気が、遠くなっていく。
『ルージャの子は生きてる事自体“罪”』
……ねぇ、母さん。
ぼく、この世界に生まれてきちゃいけなかったの……?。
その問いに答える人は無く、声にならない悲痛な言葉はただの白い息となって空へと消えた。