Sin
「それは僕が早く結婚しなかったからじゃないか」

ぶ、とシンは吹き出した。

「え、なに。じゃあジャックが早く結婚してれば、俺はジャックの子になれたわけ?」

「え、と。その可能性はあるだろ? 世の中にはいろんな可能性が、さ」

大まじめに答えるジャック。冗談で聞いたのに。

違うか? と、さらに真面目な顔で聞かれ、シンは声をたてて笑った。

「ジャックって変人だけどいい奴だよな」

年相応の高い笑い声。子どもらしい、愛らしい笑顔。

初めての、初めての、シンの笑顔。

「あーもう、なんで泣くんだよ? 今日から変人じゃなくて泣き虫ってあだ名にしちゃうぞ」

涙を拭うジャックにそう言い、シンはもう一度笑った。


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