Sin
シンはふぅと息をつき、紅茶を入れ直しているジャックの背中に呟いた。

「……お父さんみたい」

「え?」

「本当のお父さんて、こんな感じなのかなって」

どこか嬉しそうで、どこか寂しそうなシン。ジャックは熱い紅茶を二つ持ってソファーに戻る。

「俺、父親居ないからわかんないんだけど。ジャックってお父さんみたいな感じがする」

ミルク入りの紅茶を一口飲み、シンはぽつりと言った。

「俺、ジャックの子になりたかった」

ジャックはシンの頭を撫でて微笑んだ。そうだったら、どんな事をしても守ってやれたのに。

「なんで俺、ジャックの子に生まれなかったんだろう」

シンとしては答えを期待しない独り言のつもりだったのだが、ジャックはものすごく真剣な顔でこう答えた。


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