chance

chance【グラビア撮影】

こんなラブホテル街にアタイを置いて逃げるなんて、ヒロは最低な男ですゼッ……

『奇遇ですね』

不意に声をかけられ
声のした方を見ると
チンがいやがった

私『何でチンがいるんだよ』


チン『ちょっと野暮用で』


私『野暮用って……こんなホテル街にか?』


チン『……まぁ~僕だって、ホテル街に来る事くらいありますよ』


私『へぇ~お前大人だな』


チン『ヒロさんは?』


私『ヒロ?あいつアタイの鼻血見たら叫びながら逃げたよ……チンの言う通り、結婚してたし……アタイ男見る目ねぇ』


チン『まぁ、元気出して下さいな!パァーットお酒でも飲みに行きますか?』


そんなこんなで
チンと飲みに行く事になり、バーに連れて来て貰った


チン『何飲みますか?』

酒なんて、生まれてこのかた飲んだ事もねぇからなぁ……


私『ウォッカ』


チン『イケますねぇ』


イケてるのか?
メニュー見て適当に言っただけですゼッ


チン『マスター、コロナとウォッカお願いします』


そう言うと
後ろを向いていたマスターらしき人がこちらに振り返り


『かしこまりました』


予想だにしない、まさかのセバスチャンに、椅子ごと後ろにひっくり返ってしまった


私『ジジィ何してやがる』


セバ『ジジィではありません……』


私『セバスチャンだろ?』


セバ『ここではマスターです』


どっちでもいいわっ!


私『何でマスターなんかしてやがるんだ?』


セバ『チンさんが店を出してくれたんです』


私『はっ?……母さんはこの事知ってるのか?聞いたら怒るぞ』


家の仕事もしねぇで、バーのマスターなんてやってるとなると、いくら母さんでもキレますゼッ!

しかも、何故にチンはこんなジジィに店まで持たせてるんだよ


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