1/2 〜危険なベターハーフ〜
「桜井、貸し1な」
こんな貸しなら悪くない。
幸せな貸しなら。
「お前の部屋にいる間に何されてたかわかんねぇだろ?チャラだな」
チッ。鋭いな。
「このままどこまで行けばいいんだ?美羽ちゃんの家すら知らねーぞ」
「浅野は知らなくてもいいんだよ、ぜってー美羽の家教えねーからな」
あーそーかい。
ヤキモチですか。
「ここでいいよ、近いから。
…ありがとな」
言い残して美羽ちゃんを
抱きかかえて降りた。
今度こそは、
誰にも見つかりませんように。
美羽ちゃんが泣きませんように。
.