世界の説明書
あ、、、あ、、、やっぱり、この子には僕の事が見えるんだ、、、、

初めて、、初めて、、だよ、、僕はこの世界の一部になれたんだ、、例えほとんどの人が僕の事が見えなくても、、、でも、、、この子には、、、見えてるんだ、、、嬉しいな、、、、本当に



「名子、名子、大丈夫か。」

「パパ、パパなのね。私は大丈夫。何処も痛くない、でも、この人は苦しそうにしている。お願いパパ、この人を助けて、早く、早くしないと死んじゃう。」

 正人は、名子がパニックになって、支離滅裂な事を言い出したのだと思った。目が見えずとも、いや、見えないからこそ、トラックの轟音、衝突の衝撃は、小さな少女の平常心を粉々にするくらい訳が無かった。

「名子、もう大丈夫だから、もう大丈夫、何も怖い事は起きないよ。だから、落ち着いて。」

「違うの、パパ、パパには聞こえないの、すぐそこで苦しんでいる男の子の声が、聞こえないの。 ほら、どんどん息が小さくなっている。パパ、パパ、本当に聞こえないの。」

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