世界の説明書
 目の見えない美しい少女。    

弱々しい可愛そうな少女。

きっと、この見せかけだらけの、偽善に塗れた世界が、自分達の良心を満足させる為だけに、必死に守ろうとする少女。

見つけた、最高のおもちゃを見つけた。自分の縄張りに勝手に入ってきた獲物。

あの子は、このセカイを破壊する為に必要な生贄だ。
 
 そして、二郎はそれから毎日、公園での調査を始めた。あの子の行動パターンをじっくりと探った。何時に、誰と、この公園の横を通るのか。何故、ここに来るのか。全ては順調に把握されていった。そして、二郎は一つの障害物がある事に気付いた。あの子の母親だ。いつも決まってあの子の傍に付っきりで、辺りをきょろきょろ見回し、何か危険なものは無いかと、お回りの様にするどい視線を辺り構わずに向けている中年の女。

 邪魔だ、、、邪魔だ、、、、あの女は世界を疑っている。何も出来ないくせに、あの子を守っているヒロイン気取りだ。うざい、うざい、、あの女がいる限り、、駄目だ、、あいつをあの子から引き剥がさなくては、あの邪魔な女を排除しなくては、、、、


二郎はそれから考え続けた。ブリーチの様な匂いが小さな菜の花を犯していた。
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