CLASHXXX
「起きろ!バカ女!」







耳下で聞こえる大音量に私は、顔をしかめて寝返りをうった。


「なっ無視すんなよ!まだ寝るつもりか!」


「うるさいなぁ。」



そう言って布団を頭の上に引っ張り上げたことが、どうやら『彼』の機嫌を損ねてしまったらしい。


「・・ふっざけんな!バカ姉貴!」




『彼』こと従兄弟の和馬が私の布団をひっぺがした。

和馬は、今年、中学生になったばかりで卸したての制服を着ている。


ん?制服?




「かっかず君いっ今何時でごさいますか。」


あまりの焦り様に変な言葉を使ってしまった。


和馬は、脇にあった機械の残骸を見せ付けてくる。


「自分で見ろ。」



怒気を孕んだ声で言われて良く見てみると、それは無惨にもあちこち壊れているが、私が先週セールで買って来た目覚まし時計。


しかも健気なことに針がまだ動いている。


セールなのにいい働きっぷりだと感心してしまった。

そして時刻を確認すると、

「8時12分・・ってぅえ〜遅刻じゃん!何で起こしてくれなかったの!」



「てめぇが起こしても起きなかったんだろうが!」



般若のような顔で怒る和馬。マジで恐いです。


「てか、いい加減目覚まし投げる癖治せよ。そんなんじゃ幾つあっても足りないだろうが。」






< 4 / 7 >

この作品をシェア

pagetop