愛してよダーリン




「どうしたの?」


「し、紫音ってどこにいるの?!」




紫音?あぁそっか!

そりゃそうだよね。



あたしにとって紫音は幼なじみだから、モデルが幼なじみって感じじゃなくて幼なじみが偶然モデルなわけで。




紫音がモデルなことが当たり前だから、そんなに深く紫音がモデルなことを考えたことなかった。




みんながモデルになれるわけじゃないのは知ってるし、モデルの仕事を貰える紫音がすごいことも知ってる。




けど、あたし以外の人はモデルの紫音しか知らないから、


紫音と会うときの気持ちは、あたしが沙絢ちゃんに会ったときと同じ感じなんだ。




実際はあたしなんかより、紫音に会いたかったに決まってる。




だけど残念ながら……。




「今日は大事な撮影の仕事があるから来てないんだよね」


「え!そうなの?!なんだぁ、残念」




紫音が来ないことを知ってもっと残念がるかと思ったけど、


莉加ちゃんは思ったよりも残念そうではなかった。




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