愛してよダーリン




『そうなの。ちょっと事情があってあたしだけ残ることになっちゃってね?そしたら、樹優しいから一緒に帰ってくれるって』




事情って何なのか気になる。

言わないってことは言いたくないのか言えないことなんだろうけど。




でも樹が優しいのは何で?

彼女のあたしにでさえ優しいのはたまになのに。




莉加ちゃんの言葉をそのまま鵜呑みにしちゃいけないって分かってるけど、


今のあたしには今耳から入ってくる情報が全てで。




ねぇ樹………電話に出てよ。

樹の声が聞きたいんだよ?



せっかく自信がついて頑張ろうって決心がついたところなのに。

どうしてこうやって、その決心を鈍らすの?




ねぇ、あたしが彼女なんだから。って、自信持っていいんだよね…?




『あ、じゃあ電車来ちゃったから電話切るね?そういえば、あたしで良かったら樹に何か伝えておこうか?』




自信を持たなきゃと思って、あたしは強気で『大丈夫だよ。じゃあまたね』と言って、あたしから電話を切った。




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