いばら姫
「…岡田様
本当に申し訳ありません
係の者に聞いた所
ピアスはございませんでしたと…
御忘れ物を発見した場合
すぐに連絡をさせて頂いて…」
「ホテルが素晴らしくて
部屋の中、結構歩き回ったから…
あの…
もしあの部屋が空いていましたら
少し捜させて貰えませんか…?
…彼女に贈ろうとしていた物で…
昨日は大切な
記念日だったんです…」
「…まあ…!それは…
……
だけどどうしましょう…
お客様がいらっしゃらなければ
すぐにでもご一緒に
お探ししたいのですが…」
「…もうどなたかが?」
「…ええ…
あのお部屋は人気が高いものですから…」
「はい とても素晴らしかったです
ホテルの皆さんの
気配りが行き届いていて…
また、来年の予約もしたいと
ずっと話していたんです」
「!!
ありがとうございます!
そのお言葉が、何より嬉しいです…!」
「あの…
もし可能ならば
今お泊りのお客様に
僕が直接伺って、
少しだけ捜させて頂く事って
可能なんでしょうか…」
「…う〜〜ん………
事情をお話すれば
可能な事ではあるんですけど…
今日のお客様は……」
「…多分、あそこに…
そこを見て駄目なら…
すぐに帰りますので
―――― お願いします… 」
「…あ……あの…えっ
あ… わ わかりました
そんなにジッと見られると…
あの!
…す、少しお待ち下さいね
お伺いして参りますので…!!」
「…笑ってんじゃねーって。…次はよ 」
『…もしこれで駄目なら
岡田さんは帰って』
「…何かする気か…? 」
『…する気かもね 』
「…やめとけって!
ホントに物騒な奴だなあ…!」
『…平和主義者だよ
じゃなかったら、こんな方法取って
貴方に頭、下げてない』
「…頭、下げられてないけど」
『…後でね。』
「…………灰谷 」
『…何 』
「ちょっとお姉さん追い掛けよう
お前もツラ貸して 」