いばら姫
東京行き 新幹線
自由席
足元には
乗客の降ろした大量の鞄
どれも皆 土産物で膨らみ
また始まる
いつもの日常に帰る準備をしている顔
―――携帯
再び灰谷に電話をかける
『…はい 』
「…灰谷!! 新幹線に乗った
そこ何処だ?! 」
『……伊豆の白ケ浜 』
「 駅名は 」
『…" ほしわたり "
東京駅からなら、
かまやつ行きに乗って
白ケ浜で降りて乗り換え
ローカル線で、さがの方面に向かう
…新幹線に今乗ったなら
東京駅着は21:17
さがの行きに乗ったら、
"ほしわたり"は五つ目 』
「…お前、電車で来たのか 」
『…こういうの覚えるの好きなんだ 』
「…… とにかく行く
白ケ浜に着いたら連絡する 」
『…迎えに行こうか 』
「タクシーに乗って行く
―――― 切るぞ 」