いばら姫




―― 俺が行きに
灰谷達から逃げる為に入った
ステイトビル裏のデパートは
まだ開いてる


インターネットカフェは
何処で見たんだっけ ――



周囲を見回すと
全面ガラス張りの小さな入口
混んでいるのか二階にある窓は
外との気温差で、白く曇っている

道路を渡り、ドアを開くと
膨らんだ生暖かい空気が、
少し体を押した様に感じた


受付前の椅子にも、
人が何人か座っている


「 …時間、掛かりそうかな 」

空気を押し返して、扉を閉め
家電量販店へ向かう事にした





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