いばら姫
「 あずる?! 」
頭が俺よりも
一個半くらい高い、青山の顔は
ダクトのすぐ横
そこから低い、声が掛かると
"トイレで紙がなかった"みたいな
所在無さげなアズの声が、
またもう一度返って来た
『 … あのね
クリスマスの日は、皆、
"CheaーRuu"もコンサートあるし
別々だから、皆でパーティーしようって
タカオが皆に話してくれたって言ってて
一緒に準備してたんだけど
… タカオ出掛けてから、
全然帰って来なくて 』
" タカオ出掛けてから "
この辺から青山は、もう聞いちゃいなくて
ダクトの走る方向を追い、
すぐに地下へ続く、階段を見付けた
「 あずる!! 開けろ!! 」
ドアを叩く青山に、慌てて鍵を渡す
「 あ!! 青山!! アズは今 ―― 」
…… 伝える前に、扉は全開になり
アズの、かなり素っ頓狂な叫び声と
青山が唖然とした顔で、
ドアを思い切り閉める喧騒
俺は腹を抱えて、爆笑してしまった
「 ―― 大丈夫
アズは、何もされてない
"動けない様にさせてある"って
…確かにハダカじゃ動けないよな 」
「 ―― … 」
青山は しゃがみ込み、へこたれながらも
それを聞いて安堵の息を漏らす
「 何これ位で、真っ赤になってんのよ
… アズの初めての男のクセしてよ
――― なんかアズの服買って来るすけ
下のシャツでも貸して着せとけ 」