この星空を君に

 理沙にそう言われる日は、何かしらいいことあるんだよね…。


 なんだろっ♪


 そんなことを思いながら、自転車を進めた。

 星空が、とても綺麗だった。

 “うわーっ、吸い込まれそうだなー。”

 わたしは坂をくだりながら、星空を見上げた。自転車は、どんどんスピードをあげていく。通り抜ける風が心地よい。


 “星の中を走ってるみたい…。”


 気付けば、わたしは前を見ることを忘れていた。坂を下りきったそのとき………!


 ガッシャーン!


 目の前が真っ白になった。どうやら、地面に倒れているみたいだ。

 「もしもし!大丈夫ですかっ!?」

 知らない声が、わたしの耳に響いた……。


< 3 / 8 >

この作品をシェア

pagetop