あたしだけのお医者さん





「ん、偉いな。

そのまま「あー」って声だそう」






「あー」って春人に言われながら、あたしも頑張って真似した。







「ぁ…あー…」






「よし、いいぞ。
苦しかったな、ごめんな?


けど、真っ赤だなあ。
痛いだろ?」







素直に頷くと、






「少し腫れてきたな…」



そう言い首元のリンパを触られる。








「んー、やっぱり今日俺仕事休んで正解だった。


こんな状態で由香放っといたらって思うと怖いな
(笑)



今日は俺がずっと側にいるから安心しろ」







な?と頭を春人の胸に優しく抱き寄せられて、髪にキスされる。









もう片方の腕は背中に回されて、優しく摩られる。


咳、酷くならないように。







「お昼まで寝ろ。

薬飲んでからな?」







渡された薬を流し込み、手を握り頭を撫でてくれる春人に安心して、そのまま眠りに落ちた。









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