【完】宛先不明のラブレター
果枝ちゃんがどんな想いでその言葉を言ったかなんて、俺には想像もつかない。
果枝ちゃんの顔を手で包み込むと、ぴくりと反応して、俺を瞳に映していた。
一瞬、時間が止まったように感じた。
「…果枝ちゃんは、何もわかってないよ」
「そうかも、しれないけど」
言葉を詰まらせた果枝ちゃんに、胸が締め付けられた。
…何もわかってない。
俺が果枝ちゃんの『好き』の言葉に、中学生のように胸を高鳴らせていることを。
果枝ちゃんを見るたび、見つめるたび、気持ちが溢れそうになっているのを。