【完】宛先不明のラブレター
「どういたしまして。…じゃ、お腹も減ったしご飯食べたいな、俺」
「うん、すぐ準備するから」
先に行ってるね、という茉莉の声を残し、部屋のドアがパタンと閉じた。
…俺も嘘が上手くなったな、と思った。
茉莉に言ったことはもちろん全て本心だ。
本心だけど、嘘。俺は茉莉を騙している。
茉莉が気付いているかはわからないけれど、少なくとも俺は…茉莉にこんなにも愛される資格を、果枝と付き合うようになってから失っている。