【完】宛先不明のラブレター


「…このままじゃ、とりかえしがつかなくなるから」

「な、何言って…?」

「…ただ、年上に憧れただけじゃない? 果枝ちゃんくらいの年の女の子って同い年の男がすごくガキくさく見えるらしいし、」

「……」

「だから、俺への気持ちは恋愛感情なんかじゃないよ」


ぐっと膝の上でスカートをにぎりしめた。

聡さんの言っていることはたしかに間違いではない。


…途中までは。

途中までは、だ。




「…あたしの気持ちを否定する権利なんて、あたしにしかない!」

「!」


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