【完】宛先不明のラブレター


「サイッテー……受け入れてくれるとまでは思ってなかった、けど、…否定なんて、されたくない」

「…果枝ちゃ、」

「“大人だから”?“年上だから”? …だから、何?あたしの何がわかるっていうの?」

「……」

「あたしは、聡さんのことを好、…?」


ふわっと、顔を温かい大きな手で包み込まれた。

それに反応して、顔を上げた。




「…果枝ちゃんは何もわかってないよ。」

「…そうかも、しれないけど、」

「どうして、……」

「? 聡さ、」

「どうして、果枝ちゃんに会っちゃったんだろうね」


悲しそうに微笑む聡さんに、あたしはこの時初めて不安を抱いた。


< 27 / 391 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop