【完】宛先不明のラブレター
「…何かふっきれたんだね。」
情事後、ベッドの中で、俺達は抱き合っていた。
俺の腕の中で、茉莉は少し切なげな表情をしながらそう言った。
その言葉には応えず、俺はただ茉莉の髪の毛をなでていた。
「…ねぇ、聡」
「……ん?」
「結婚した日のこと、覚えてる?」
茉莉は俺に先程の言葉の答えを求めることはせず、話を変えた。
少し意地悪な笑みを浮かべた茉莉は、俺の胸に顔をうずめ、くすくすと笑っていた。
「覚えてるよ。…お前、俺が覚えてないと思ってんの?」