【完】宛先不明のラブレター
「…久しぶりだったからでしょ?」
さらり、と当然のことのように俺は言った。
茉莉のカンの鋭さには驚かされる。
…いや、それとも俺が、果枝のことを考えながら茉莉を抱いていたせいなのだろうか。
あの日の果枝の感触を、忘れようとしても忘れられないせいなのだろうか。
そんなことを考えながら、俺は茉莉に笑顔を見せていた。
「…そう、だと思いたい」
「そうだって言ってるだろ。 …さっきも言ってたけど、あの日だって同僚と飲んでただけなんだから。」
「……信じて、いいの?」
「信じてくれないの?」