【完】宛先不明のラブレター
嘘を重ねようとする俺の言葉を遮って、茉莉は続けた。
大きい瞳から、ぼろぼろと涙がこぼれている。
…どうやら、果枝に守ってもらったものすら、俺は守れないらしい。
「私、数え切れないくらい聡に抱かれてるんだよ。…さっきのは、初めて聡に抱かれたときのような感覚がした。…私の前に、他の女を抱いた感覚が、した」
涙を乱暴に拭いながら、茉莉はそう言った。
…やっぱり、ずっと一緒にいる茉莉を、誤魔化して騙し通せるわけが、なかったんだ。
俺は心の中で、舌打ちした。