【完】宛先不明のラブレター
「…ごめっ、やっぱりいい「アレルギー。」
「……え?」
「金属アレルギー。」
「…あ、アレルギー…?」
え、重い理由があるとかではなく?
と口にすることはなかったけれど、あたしの顔に書いてあったであろうことは容易に想像出来た。
聡はそんなあたしに気付いているのかいないのか、表情を変えずに言葉を続けた。
「そう。俺金属アレルギーだから指輪してないの。」
「そ、そうなんだ……」