【完】宛先不明のラブレター
「別に重たいような暗い理由があったからじゃないよ」
…見透かさないでほしい、あたしの考えを。
ニヤニヤ笑う聡の鼻をぎゅっとつかんで、ふーん と返事をした。
「んがっ! ちょ、鼻はやめてって、」
「ふんだっ」
「かーえっ」
「じゃああの沈黙はなんだったのよ」
「…さぁね」
「…ふぅん。」
「いたたたた!」
聡の鼻を掴んでいる手に更に力を込めた。
「った、…もういい加減放して。」
「イヤ」
「…まったく。」