【完】宛先不明のラブレター


「別に重たいような暗い理由があったからじゃないよ」


…見透かさないでほしい、あたしの考えを。

ニヤニヤ笑う聡の鼻をぎゅっとつかんで、ふーん と返事をした。




「んがっ! ちょ、鼻はやめてって、」

「ふんだっ」

「かーえっ」

「じゃああの沈黙はなんだったのよ」

「…さぁね」

「…ふぅん。」

「いたたたた!」


聡の鼻を掴んでいる手に更に力を込めた。




「った、…もういい加減放して。」

「イヤ」

「…まったく。」


< 70 / 391 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop