Treasure!
目を閉じ、両手の祈りの形にし、唇を噛み締める。

その背後で。

「…………!!!!!」

耳をつんざくほどの轟音が響いた。

思わず振り返る。

そこには、見上げるほどのキノコ雲が発生していた。

核爆発による爆煙。

三千年もの長い時間が経過したせいで、劣化し、その威力は本来のものに程遠い筈。

それでも、キノコ雲は成層圏に達するほど高く舞い上がっていた。

吹き荒れる爆風と砂煙。

その風にも、煙にも、有害物質…放射能が含まれているのだろう。

爆心地付近にいたローチは勿論、その熱風にさらされたローチ達も、次々と死に至らしめられる。

高い生命力を誇る彼らでさえ、核爆発の前では只の蟲に過ぎなかった。

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