大人になれないファーストラバー


ガタンゴトンと。
電車はありきたりな音を立て、あたしたちの街を離れて行く。



今日は天気がいい。
少し効きすぎているようにも感じられる冷房から逃れるように、日の光りに肌を晒してみた。




さっきまで楽しそうに話していた咲之助と阿宮は今はなんだか静かで。

景色ばかりを見つめてるあたしの耳に二人の声は聞こえてこなくなった。





どうやらこの一泊二日の旅行は葉山とか言う男子の別荘を借りるらしい。


当の葉山は学校をサボることが親にバレて来れなくなったようだが。





何も知らされないままここまで来てしまったが、そんな二人の会話を聞いていたらなんとなく分かってきた。





頬杖をついたままの格好だったから、そろそろ首が疲れてきた。


どんどん移ろう景色を最後に目に焼き付け、シャッターのようなカーテンを閉める。




外のことばっかりで、電車内のことはまったく見ていなくて。

窓から離れて振り返ると、隣に座っている咲之助がこっちを見ていた。


目が合うと、さりげなく視線を逸らす咲之助。




ふとさっきのことが頭をよぎった。


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