今よりもっと強くなれ!!~我が子が障害を持って生まれたら…~
麻酔が成功して、一言『切るよ』
の言葉があるのかと思いきや、勝手にオペは開始されていて、オペ器具の『ガチャガチャ』と、言う音で私のお腹は既に開腹されているんだと気付いた。

長男が帝王切開の時は僅か、10分経ったかどうか位の早さで長男の産声を聞いた。
だから今回もすぐに元気な産声が聞けるものだと思っていた。

ちなみに半身麻酔の場合は、ちゃんと聞こえるし会話も出来ます。
帝王切開が始まって15分は経っただろうか、
『あれ?』

遅い。どうしたんだろう。絶対に長男の時はアッと言う間だったハズなのに!!

かなり不安になった。
『血尿は無いか!』

怖い声で副院長が看護師に聞いていた。

『きれいな、おしっこですよ』

と、道尿管から尿を取って尿パックに入ってる私の尿を見て看護師は答えた。

『そうか。なら良い』
少し安心した副院長の声がした。

私は何か違う所を切られたのではないかと怖くて仕方なかった。

それから、10分程してから

『オギャー』

元気な産声が聞こえた。





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