きっと ずっと もっと。
綺麗な女性の後ろ姿をじっと見つめていたコーちゃんは、女性が完全に視界から消えた後、やっと口を開いた。


「とりあえず公園でも行くか?」

――お別れの時間だ。

その誘いに同意したあたしは、コーちゃんの影を追う様に公園に向かう。


程近い公園に到着するまでの間一度たりとも、さっきの女性みたいに、あたしとコーちゃんの影が重なる事はなかった。


「……懐かしいな」

開口一番にコーちゃんが言った。

その昔、あたしがコーちゃんや兄と遊んだ近所の公園は砂場と滑り台、ブランコがあるだけの小さな公園。

もう小さくなってしまった遊具に、時間の流れを感じた。
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