きっと ずっと もっと。

いつものコーちゃんの顔も、時折しか見せない“幸大”の顔も、あたしは両方知っているのに。


なのに、何であたしはこんなに緊張しているのだろう？


目の前にいるコーちゃんは――“幸大”は、あたしの好きな人。

コーちゃんも"幸大"も、あたしが想いを寄せる人に変わりないのに、あたしは――…




……あぁ、そっか。

こんなにも簡単な事だった。


コーちゃんも“幸大”も、あたしを無視した事なんて今まで一度もなかった。

いつだってあたしの話を聞こうとしてくれていた。

――だったら。

「……コーちゃん」

「なんだ？」

「すきだよ」

やっと“あたし”の言葉で伝えれた、あたしの気持ち。

溢れた気持ちと一緒に零れた涙で、コーちゃんの顔は見えなかった。